【俺の家の話第10話(最終回)】ネタバレ・あらすじ・感想

主演を長瀬智也、脚本を宮藤官九郎が担当するTBSドラマでは11年ぶりの強力タッグでお送りする濃厚ホームドラマです。

今回は、『俺の家の話』第10話(最終回)の、ネタバレ・あらすじ・感想をご紹介していきます。

奇跡の代償

観山家の人々が家族揃って朝食を食べています。寿三郎さんが、

「寿一、無理してはしゃがなくていいぞ」

と声をかけた瞬間、みんなの顔が強張り、気まずそうに俯いたりします。

「みんな、お前のこと、気遣って黙ってるのが分からないのかよ。まあ無理もないよな。さんざんだったもんな、あの引退試合な……」

と年末にやった『世阿弥マシーン』の試合について、寿三郎さんはダメ出しをします。

さらに年始にやる『隅田川』の練習についても、

「ぜんぜんなってないよ。能は年取ってからでも出来ると思ったら甘いぞ。若いときにダメなやつはね、年取ってもダメだからね」

と寿一さんは相変わらず褒めてもらえませんが、寿三郎さんは元気そうです。

「奇跡的に回復した親父は、3年ぶりに舞台に上がることになった」

寿三郎さんが死にかけたときのことについて、寿限無さんと舞さんと踊介さんが話しています。

舞「みんなで父さん囲んだときさ、本当言うと、内心ちょっとホッとしなかった? ホッとしてる自分が許せなくて、言っちゃいけないこと言って、さらに自己嫌悪っていうね」

踊介「これで解放されるっていうのは、確かにあったかも」

舞「介護からね、言うほどやってないけど……」

寿限無「実は俺も、悲しんでる自分を、ホッとしてる自分が、俯瞰で見てるみたいな、変な感覚」

舞「泣きながら、頭の片隅で、死んだら終わるって思ってた」

踊介「でも兄貴は、そんなことなかったんだろうな」

寿限無「命の恩人だもんね」

そう言い合いながら、あの時、寿一さんが寿三郎さんの枕元で、

「肝っ玉? シコッタマ?」

と声をかけ続けたことで、それに応えるように危篤状態の寿三郎さんが手を挙げ、奇跡的に生還したことを思い出します。

2022年、1月16日。

寿三郎さんの復帰公演となる『観山流 新春能楽会』が開催されます。

公演前、寿三郎さんは弟子たちや関係者の前に出てきて挨拶します。

「長い長い闘病生活で、能楽師、深山寿三郎を奮い立たせてくれたのは、なんと、他ならぬ、世阿弥でした。世阿弥の教えで、初心に帰ることができました」

と寿一さん扮する覆面プロレスラーの『スーパー世阿弥マシーン』に感謝の言葉を述べ、

「そこで私は誓いました。必ず、シテ方として、舞台で舞う。まあ今回の『隅田川』は私の長男、寿一が初めて舞います」

それを聞いた関係者たちはざわつきます。

肝心の寿一さんの姿がそこにないことに、寿三郎さんは疑問を持ちつつ、挨拶を終えますが、本番の時間が迫っても、寿一さんは控え室へ現れません。

寿一さんの代わりに寿限無さんがシテ方の装束を身に着けています。

「弟子の連中がさ、みんな、ご愁傷様です、って言うんだけど、何だよな? 誰か死んだか? 新年早々、縁起でもねえ。寿一、どうしたんだよ? ていうか寿限無、何でシテの装束着けてんの?」

寿一さんがいないと慌てる寿三郎さんを、「大丈夫いるから」「見守ってくれていますよ、どこかで」と家族が宥めます。

「お前たち、何か隠してるだろ。私が認知症だからってバカ扱いするんじゃないよ。応えなさいよ。寿一は、どうしたんだ」

沈痛な表情で応えられない家族に代わり、

「亡くなったの」

とさくらさんが応えます。

人間家宝、観山寿一

2021年、12月31日。

大晦日の『年越しプロレス』のイベントに出た際、『世阿弥マシーン』こと寿一さんは試合中の事故で、意識朦朧となり、救急搬送された病院で、息を引き取りました。

「観山寿一。享年42歳。だが、俺も親父も、そのことを受け入れられなかった……」

それで新春能楽会の舞台では、寿一さんに代わり寿限無さんがシテ方として『隅田川』を舞っています。

まだ寿一さんの死を受け入れられない寿三郎さんだけには、寿一さんの幽霊が見えていて、朝食のときに話しかけるなど、寿一さんが生きているものとして生活しています。

家族はそのことに戸惑いながらも、寿三郎さんのショックの大きさを思い、

「そのうち理解するよね……」

と本当のことを伝えられずにいました。

「さくらちゃんがな、お前が死んだって言うんだよ。でもいるだろ。ここに。はっきり見えるもん」

と寿三郎さんは本番中も寿一さんの幽霊に話しかけています。

「そういえば、前に稽古場で……」

寿一さんと『隅田川』について話したことを思い出します。死んだ息子の亡霊を、出すべきか出さざるべきかで、世阿弥と元雅の間で論争があったことを話した際、

「俺が息子だったら出てくるよ。だって会いてえもん」

と寿一さんは言っていました。それで、

「会いたいから、出てきちゃったのか……寿一、じゃあお前、本当に、死んじまったのか」

と寿三郎さんは理解します。

「やっぱりそうか、何か、変だと思ったんだよな……」

と寿一さんも自分がもう死んでいることを理解します。

「ごめんな、寿一。死んじゃったか。俺のせいかもしれんな……月命日に母さんの墓参りに行ったろ?」

思い当たる節があると寿三郎さんは言います。

その日は、やけに良いことが続きました。

墓参りの帰り道で信号に一個も引っかからず、エンディングノートに弔辞を読んで欲しい人で、タモリ、吉永小百合に続いて三番目に名前を書いていた藤田ニコルと偶然会ってサインを貰えたり、スクラッチで五万円分当たったり、

「出来過ぎだろ。確実に死ぬだろ」

と恐れる寿三郎さんは、函館からお歳暮で貰った松前漬けの数の子を寿一さんにくれました。

「俺が、数の子食べればよかったんだよな。代わってくれたんだよな、あの日。お前の代わりに、俺、生かされてんだよな。すまなかった……俺もすぐいくから。母さんと、待っててくれな」

寿三郎さんはそう言い、

「寿一、お前は大したもんだよ。よくやったよ、寿一。みんなのことを、笑顔にしてくれてさ。奮い立たせてくれてさ、他人様のぶんまで戦って、舞って、怪我して、笑って、そんな奴いないよ。国の宝にはなれなかったけど、家の宝にはなれたな。家宝にはなれたな。お前は、観山家の、人間家宝だよ」

と寿一さんを褒めます。

俺のいない、俺の家の話

「後継者は観山寿一を指名する」

と書かれた寿三郎さんの遺言状を、さくらさんは寿一さんのお墓に見せに来ます。

「私、ちゃんと覚えてますから」

と手を合わせるさくらんの体がフワッと浮き上がります。

『世阿弥マシーン』の幽霊が担ぎ上げたのです。

「どうして?」

「会いたくて」

「私、後悔してるんです。この間、酷いこと言っちゃって。一人の人間として見たら、そこまで好きじゃないって。あれ嘘。本当は、大好き」

そう言って二人はお別れのキスをします。

「親父が死ぬまで、傍にいてやってください」

と寿一さんはさくらさんに後を託します。

「本当にないんですね、自分。本当にこれでいいの?」

さくらさんが訊くと、

「俺は、俺の家が大丈夫なら、大丈夫なんで」

と寿一さんは応えます。

「さくらさん、俺の家を、頼みます」

それを真に受けて、

「1年後、どういうわけか、さくらは踊介と結婚する……なぜだ。俺の言い方が悪かったのか。俺の家を頼むとは言ったが、弟とくっつけとは言ってない。納得がいかない!」

と寿一さんはご立腹のようです。

寿三郎さんは死ぬギリギリまで舞台に立ち続けます。

「親父の死後、28世宗家は、寿限無が継承し、45歳で、芸術祭優秀賞を受賞する。ゆくゆくは、秀生が29世宗家を、継ぐことになる」

『さんたまプロレス』が寿一さんの追悼興行を行い、二代目の『スーパー世阿弥マシーン』がお披露目になります。

エンドクレジット後

「つまり、25年ぶりに実家に帰った長男が、1年間だけ家族と共に暮らし、引っ?き回し、いなくなった後は、それぞれが収まるべきところに収まった。それだけの話。これが、俺のいない、俺の家の話だ」

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