【俺の家の話第1話】ネタバレ・あらすじ・感想

主演を長瀬智也、脚本を宮藤官九郎が担当するTBSドラマでは11年ぶりの強力タッグでお送りする濃厚ホームドラマです。

今回は、『俺の家の話』第1話の、ネタバレ・あらすじ・感想をご紹介していきます。

褒められたことのない男

中年プロレスラーの『ブリザード寿』こと観山寿一さんが、

「ブリザード!!」

と雄叫びを上げ、ロープに飛ばされる最中に、

「今から俺の家の話を始める……俺の家には、舞台があった」

と思い出を語り始めます。

寿一さんの父、寿三郎さんは、日本を代表する観山流宗家の能楽師で、全国に一万人以上の門弟を持つ人間国宝です。

寿三郎さんは寿一さんを叱ったことがありません。小さい頃、歳の近い弟子の寿限無さんと一緒にイタズラをしても、叱ってもらえるのは寿限無さんだけで、寿一さんは無視されます。
きょうだいは、年子の妹・舞さんと、七つ下の踊介さん。
母親は優しいけれど控えめな人で、控えめ過ぎて顔も思い出せません。

寿三郎さんは長男の寿一さんを後継ぎにしようとします。
寿一さんは4歳で初舞台を踏み、才能を開花させ、神童と呼ばれますが、

「親父は、決して俺を褒めなかった……親父に褒められたい一心で、俺は稽古に励んだ。あのまま稽古を続けていれば、俺は……」

寿三郎さんの周りにはいつも大勢の大人たちがいて、近づけず、寿一さんはほとんど父と喋ったことがありません。寿三郎さんから何か言われるときは、弟子から口伝で知らされます。
そうして寿三郎さんの顔色を窺いながら生活する寿一さんは、やがて反抗期を迎え、グレてしまいます。

「宗家としての自覚を持て」

と珍しく怒ってくれた寿三郎さんに、

「何で俺なんだよ。寿限無のほうが上手いじゃん」

寿一さんは反抗しますが、

「そういうもんなんだよ」

とだけ言って、寿三郎さんは去ってしまいます。

寿一さんが16歳のとき、母親が亡くなります。そして17歳で能を捨て、プロレスラーになることを決めます。
大勢の門下生の一人として、誰も自分を特別扱いせず、怠ければ怒られ、努力は褒められる、会長を頂点とした家族。
そこには寿一さんが求める家族の姿があるように思えました。

デビュー当時の『ブリザード寿』はアイドルレスラーで雑誌の表紙を飾ります。
初めて長州力と対戦した年にユカさんと結婚し、武藤敬司と対戦した年にマンションを買い、蝶野正洋と対戦した年に、息子の秀生さんが生まれます。
その後、アメリカに行き、プエルトリコチャンピオンにもなりますが、防衛戦で大怪我を追い、帰国後にユカさんから離婚を切り出されます。

レスラーとしてピークは過ぎていましたが、養育費と、マンションのローンが2000万も残っていたので辞めるわけにはいかず、堀コタツ会長率いる新興プロレス団体『さんたまプロレス』に拾われ、現在に至ります。

試合後の控え室で、寿一さんは父・寿三郎さんが危篤だと知らされます。

喋れない父

たまたま週一回の面会日だった息子の秀生さんを連れて寿一さんが病院に駆けつけると、ベッドに横たわる寿三郎さんの傍らに、妹の舞さんと弟の踊介さんがいます。
久しぶりに会ったきょうだいから、一昨年、寿三郎さんは脳梗塞で倒れ、下半身に麻痺が残ったこと、身の回りの世話は弟子の寿限無さんがやり、舞さんと踊介さんが交代で様子を見に通っていたこと、最近は忙しいから週二回デイケアに預けていたことなどを寿一さんは初めて知らされます。

そしてデイケアサービス『集まれやすらぎの森』の介護ヘルパー・志田さくらさんから、寿三郎さんが体操中に倒れてしまったことを説明されます。
寿三郎さんが72歳で、糖尿病で、心臓の手術もしていることを、寿一さんは何一つ知りません。

今後の話があるからと舞さんたちに言われ、寿一さんは久しぶりに実家へ帰り、幼い頃よく一緒に遊んだ寿限無さんとも再会します。
舞さんは現在進学塾の講師をしていて、高校生の大州さんという息子もいます。
踊介さんは寿一さんを反面教師にして真面目に生きるため弁護士になっていますが、二人とも能の稽古だけは続けているといいます。

この2年、寿三郎さんは舞台に立っていないといいます。弟子も半分に減り、現金収入もほとんどないと、サクサク財産分与の話などを始める舞さんらに、

「お前ら、心配じゃないのか」

と寿一さんは噛みつきます。父親が病院で死にかけてるのに、まだ生きてるのに、遺産だの、後継ぎだの、そんなことばかり話すのは残酷だと。もっと「親父の周りを囲んで励ましたり、感謝の気持ちを伝えたり」したいと、久しぶりに寿三郎さんに会ったばかりの寿一さんはそう訴えますが、

「そんなのは二年前に終わってんだよ?」

「もう次のフェイズに入ってんだわ、うちら」

ずっと寿三郎さんを見てきた踊介さんや舞さんからはそう言われます。
寿一さん以外の人はみんな寿三郎さんが舞台中に倒れ、三週間意識が戻らなかったときに、覚悟を決め、お別れの言葉なども済んでしまっていると。
そのときちょうど寿一さんはプエルトリコで武者修行中で音信不通でした。

「もう人間国宝じゃない。ただの、重たいジジイなんだ」という踊介さんに、

「生きてるよ、親父はまだ生きてるよ、バカ野郎」

と捨て台詞を吐いて、席を立ちます。寿一さんは家族でまだ一人だけ父親の死を受け入れられません。

「今さら、どの面下げて……ひでえ長男だよな、25年も放ったらかして……」

寿一さんの息子の秀生さんは学習障害があり、寿一さんが勉強を教えています。
寿三郎さんが勉強を教えてくれたことなど一度もありませんでしたが、唯一、二人の共通言語だったのが、プロレスでした。寡黙で、厳格な寿三郎さんが、プロレスを見ているときだけは、子どもに戻ったみたいに寿一さんと一緒にはしゃいでくれました。

病院のベッドで眠る寿三郎さんに、寿一さんは語りかけます。

「子どもは親に褒めてもらいたい。そういうもんなんだよ。褒めてもらいたかった。褒めてほしくてレスラーになった。世界タイトルのチャンピオンベルト持って帰ってきたら、さすがに褒めてくれるだろうって……」

そして、

「今さらだけど、継ぐよ。あんたの後、継ぐよ。だから今度こそ褒めてくれよ、親父……喋りたかったぜ、親父」

眠っている寿三郎さんに、そう語りかけます。

父を立たせた女

『ブリザード寿』の引退試合。
寿一さんに憧れてこの世界に入ったプリティ原さんとタッグパートナーを組みますが、熱くなり過ぎて我を忘れたプリティ原さんが一人で大活躍して、寿一さんが何もしていないのに最後の試合は終わってしまいます。

「あれはあれで、俺らしい最後だったよ……」

と寿一さんが控え室でトレードマークの長髪にハサミを入れようとしたその時、

「大変だ? 親父さんが、退院したって?」

との一報が入ります。

今朝突然目を覚ましたと言い、みんなの前に姿を現した寿三郎さんは、良い知らせとして、
自分の余命があと半年……でも医者は短めに言うから一年ぐらいだと言います。
そしてもっといい知らせとして、『集まれやすらぎの森』の介護ヘルパー・さくらさんを招き、

「お父さんな、このさくらちゃんと、結婚します」

と彼女を膝に乗せて子どもたちを驚かせます。

「72年間、飲まない、買わない、打たないで、めっちゃガマンしてきたんだよ。最後の一年、好き勝手ブチかましていきますんで、シクヨロ?」

寿三郎さんは人が変わったようにそう宣言、さらに資産はすべてさくらさんに譲渡すると言い、電動車椅子で彼女と共に去っていきます。

寿三郎さんは『集まれやすらぎの森』に来た当初、その雰囲気に馴染めず、逃亡をくり返していました。手を焼いた職員たちが担当をさくらさんに変えたところ、一目惚れした寿三郎さんは、車椅子から立ち上がったと言います。デイケアでは週二回しか会えないので、倍の給料を払うから、在宅で介護してくれと寿三郎さんがプロポーズし、今では週五回家に通って来ていると。

「私も寿三郎さんを愛しています」

さくらさんはそう言いますが、俄かに受け入れられない舞さんや踊介さんは、「金目当てなんだろ」と猛反対します。

そして、死にかけていた寿三郎さんの枕元で自分が後を継ぐと宣言したときの寿一さんの映像を、さくらさんは隠し撮りしていて、寿一さんが後継ぎの候補として、継いだとしても財産は一銭も入ってこないのに、宗家を継ぐことになり、同時に寿三郎さんの介護も担うことになります。

父に触れる

こうして25年ぶりに実家に戻ってきた寿一さん。

さくらさんは介護ヘルパーですが、まだ介護士ではなく、資格を取得している最中なので、入浴など体に触れる介護は親族以外は資格がないとできないといいます。きょうだいで交代で介護をすることになりますが、みんな忙しくて、寿一さんがお風呂やOMT(オムツ)チェンジを引き受けることになります。

さくらさんの指導の下、寿一さんは寿三郎さんをお風呂に入れますが、うまく体に触れることができません。見かねたさくらさんが、

「なんで他人の私にできて、息子のあんたにできないのよ」

と代わりに洗います。

「息子だから、できねえんだよ」

そんな折り、『集まれやすらぎの森』のケアマネージャー・末広涼一さんが家に訪ねてきて、寿三郎さんが認知症じゃないかどうかテストをします。
知っている野菜の名前を言ってくださいという簡単なテストに、うまく答えられない寿三郎さん。要介護の判定がでます。
身体の衰え以上に、そのショックは大きかったようです。

夕陽の差す舞台で、能のセリフを口ずさむ寿三郎さんの背中を、寿一さんは見ています。
「能のセリフはすらすら出てくるのに、なんで野菜の名前は出てこないんだろうな……」と寂しく呟く寿三郎さんに、

「別にいいだろ、あんた八百屋じゃねえんだから」

寿一さんなりに励ましの言葉をかけ、今度は自分から寿三郎さんを風呂に連れていき、その老いた体に触れて洗います。

寿一さんが子どものとき、寿三郎さんは一度も風呂に入れてくれたことはありませんでした。でも、

「俺はやるよ。あんたが俺にやってくれなかったこと、ぜんぶやってやるよ」

エンドクレジット後

さくらさんの素性を怪しむ踊介さんが彼女について調べると、「詐欺」「多額の保険金」「経歴詐称のヘルパー」「後妻業の女」などというニュースが出てきて、さらに彼女のSNSには、他の高齢男性と仲睦まじく写っている画像が上げられています。

「あの女……」

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